最近では、新築の一戸建てよりも安く購入できるため、多くの人々が中古住宅を選ぶ傾向にあります。
中古住宅を購入して、自分の理想の住まいにリノベーションするケースも増えてきています。
リノベーションを行う場合、中古住宅の選び方にはいくつかのポイントがあります。
また、間取りの変更や新しい設備の取り入れなど、費用についても把握しておく必要があります。
以下では、リノベーションに適した中古の一戸建て住宅を選ぶための方法や、費用の目安、注意点について詳しくご紹介します。
リノベーションに適した物件選びのポイント
リノベーションは、建物に新しい機能や付加価値を与える工事のことを指します。
中古の建物を利用する場合、水回りの設備を最新のものに交換したり、間取りを変更して居住しやすくしたりすることがあります。
リノベーションを行う際には、物件選びが非常に重要です。
特に以下の2つの点について、事前に確認する必要があります。
まず、新しい耐震基準を満たしているかどうかを確認することが重要です。
1981年10月以降に建てられた場合、新しい耐震基準を満たしている可能性が高いですが、それ以前に建てられた場合は地震のリスクに備えて耐震補強工事が必要となります。
また、過去にどのような改修工事が行われたか、建物の劣化状況は、住宅診断の専門家にチェックしてもらうことで安心できます。
物件の図面や資料がある場合、確認がしやすくなります。
さらに、中古物件でリノベーションを行う場合、工事の内容によっては制約がある可能性があります。
例えば、間取りを変更したいと思っても、建物の構造上、壁や柱を移動することができない場合や、建ぺい率や容積率、斜線制限などの法的な制約により、リノベーションが制限される場合もあります。
したがって、物件情報と共に敷地の条件に関しても確認することが重要です。
リノベーションするメリット・デメリット
中古の住宅をリノベーションすることは、自分らしい住まいを見つけたいという人々に人気があります。
中古住宅をリノベーションする利点は、住宅を購入するための費用を抑えられることや、デザインや間取りの変更オプションが広がることなどがあります。
新築の場合は、建築ができるエリアが制限されることが多いのですが、中古住宅なら郊外から都市部まで、物件の選択肢が多いという魅力もあります。
また、すでに建てられているので、リノベーション後のイメージを把握しやすく、おしゃれでモダンな住宅に変身させることも可能です。
一方、中古住宅をリノベーションする際には注意が必要です。
建物の劣化状況によっては、費用が高額になってしまう場合や、望んでいたリノベーションができない場合があります。
物件によっては住宅ローンを組むことができない場合もあるし、組むことができても融資額が低いこともあります。
中古住宅を選ぶ理由が予算を抑えるためである場合、リノベーションの費用がどのくらいになるのかを事前に確認することが重要です。
リノベーション費用の目安はどれくらい?
中古住宅のリノベーション費用は、工事の内容によって異なります。
具体的には、古民家を例にとると、間取りを5LDKから3LDKに変更する工事では、480万円からかかることがあります。
また、キッチン周りの設備交換だけでも、100万円からかかることがあります。
特に、老朽化や劣化状況が影響するため、注意が必要です。
住宅の基礎や構造部分を補強したり、水回り設備や電気設備を一新する場合には、少なくとも1,000万円以上はかかるでしょう。
ですが、リノベーションを依頼する会社によっても料金は異なるため、複数の会社に見積もりを依頼して比較検討することが重要です。
住宅ローンを組む際のポイント
中古住宅を購入した後、数年経ってからリノベーションを考える方もいらっしゃるかもしれません。
この場合、リノベーションに必要なリフォームローンは、住宅ローンとは別になりますので、二重にローンを組むことになっても返済が可能かどうか、厳密に審査されます。
しかし、住宅購入と同時にリノベーションするなら、物件の購入費用とリノベーション費用を一緒に借りることができるため、手続きも簡単です。
住宅ローンを組む際に注意が必要なのは、物件の築年数です。
金融機関によっては、物件が「20年以内」の場合などに制限を設けている場合がありますので、その条件を満たしていない場合、ローンを組むことができません。
また、住宅ローン減税の適用を受けるには、中古住宅は木造などの非耐火建築物の場合は、建築から取得までの期間が20年以下である必要があり、RC造などの耐火建築物の場合は25年以下であると定められています。
築年数が古い場合、耐震基準に適合していることを証明する必要があります。
よくある失敗例・対策
中古住宅のリノベーションでは失敗もあります。失敗も大きなものになるので、注意が必要です。よくある失敗例と、その対策について紹介します。
間取りが変更できなかった
よくあるのは、リノベーションにおいて、部屋の数を減らして空間を広くする工事です。
しかし、一部の住宅では、壁が建物を支えている工法で作られているため、間取りを変更しても壁を撤去することができません。
特に一戸建ての場合、2×4(ツーバイフォー)工法の住宅では、壁が家の構造の一部として支えになっています。
もし気に入った物件が2×4工法で作られている場合は、どの壁が耐力壁であるのかを確認することが重要です。
土地選びに失敗してしまった
中古の住宅を買うときは、土地を選ぶこともとても重要です。
特に浸水被害の起こりやすい地域では、家を素敵にリノベーションしたとしても、災害が起こるたびに床下が水浸しになり、修理をしなければならないかもしれません。
また、中古の一戸建てを購入する場合は、土地の状況を把握するために地盤調査報告書を見ることがとても大切です。
地盤は住宅の安全性に大きく関わるので、土地が地盤改良が必要ではないかをチェックすることをおすすめします。
予算オーバーになってしまった
物件を購入する際には、費用を抑えることが重要ですが、ただ単に安い物件を選ぶだけではなく、構造や建物の劣化状況にも注意が必要です。
予算を超えるリノベーション費用がかさんでしまうと、結果的には費用を抑えるどころか、むしろ損をすることになりかねません。
そこでおすすめしたいのが、ホームインスペクション(住宅診断)です。
これは、物件の劣化状況や耐震性能、必要なメンテナンス工事などを専門家が診断するものです。
住宅に関する専門的な知識と経験を持った診断士が建物をじっくりと調査し、必要な修繕や改修の内容や費用などを詳細に報告してくれます。
ホームインスペクションを実施することで、物件の実際の状態を把握することができます。
たとえば、劣化や構造上の問題がある場合、修復にかかる費用や工期、さらには安全性などが明確になります。
また、将来的に必要なメンテナンスや改善の予定も把握できるため、長期的な資産価値にも影響を与えることがあります。
物件購入前にホームインスペクションを行うことで、解体後に予想外の費用が発生するリスクを回避することができます。
安心して住まいを購入するためにも、ホームインスペクションを利用することをおすすめします。
まとめ
リノベーションを行う際には、プランの作成が円滑に進まないと、物件を購入したとしてもなかなか工事を開始することができません。
したがって、リスクを考慮すると、リノベーションを担当する会社を選ぶ際には、その会社の工事実績や特徴を事前に確認し、無駄なコストが発生しない相性の良い会社を選ぶことが大切です。